ねこのしっぽの役割

猫のチャームポイントのひとつである「しっぽ」。猫のしっぽはバランスをとるだけではなく、感情表現や気持ちを伝える役割があります。猫のしっぽの役割を知ることは、愛猫とのより深いコミュニケーションをとることにもつながります。

「猫はしっぽが一番かわいい!」と思っている飼い主さんも多いはず。猫自身も自分のしっぽが大好きです。

 猫を飼っている方なら一度は、猫が自分のしっぽを追いかけているところを見たことがあるのではないでしょうか。猫は賢い動物なので、やみくもに追いかけているのではなく、追いかけている対象が、自分のしっぽであることをきちんと認識しています。体の一部であると同時に、遊び道具としても使っているのです。

 そもそも猫のしっぽは、尾を支えている18個の尾椎(びつい)と、しっぽを前後や左右に動かすための4個の筋肉、そして、細かい動きをする時に使う8個の筋肉から構成されています。外から見ると単純な作りに見えますが、実は複雑な構造になっており、様々な機能を持っています。可愛らしい猫のしっぽには、一体どんな役割があるのでしょうか。

感情表現ツール

猫のしっぽの重要な役割のひとつが、「感情表現の手段」です。よく「犬がしっぽを振っている時は嬉しいとき」といいますが、猫も同じようにしっぽから感情を読み取ることができます。

 猫が何を思っているかは、飼い主さんにとっては、知っておいても損はないはず。ポイントをご紹介しますので、ぜひしっぽの様子に注目してみてください。

【しっぽを垂直に立てる】
 嬉しいときや、あまえている時の表現です。何かを要求する時にもしっぽを立てます。お腹が空いている、撫でてもらいたい、遊んでもらいたい、などの場合にしっぽを立てることが多いようです。また、しっぽの先を少し前向きにしていたら、飼い主さんに挨拶してくれているようです。

【しっぽを膨らませる】
 驚き・恐怖を感じた時や、相手に対して威嚇する時、臨戦態勢時の表現です。体中の毛を逆立たせることもあり、こうすることで体を大きく見せようとしています。

【しっぽを足の間に挟む】
 身体を小さく見せることで、服従・敗北を示しています。負けを認めることで相手に「もう攻撃しないでほしい」という感情を伝えようとしています。喧嘩に負けた猫や恐怖心を感じている猫等に見られます。

【しっぽをダランと下げる】
 体調が悪い時や、落ち込んでいる時の表現です。もしも猫がしっぽをダランと下げていたら、静かに見守ってあげましょう。

【しっぽをゆっくりと大きく振る】
 機嫌がよい時や、安心している時の表現です。非常にリラックスして、気分がよい時といえます。

【名前を呼んだ時等にしっぽを数回振る】
 動きたくない時や、面倒くささを感じている時に、呼びかけは聞こえているということを示しています。面倒くさがりながらも、しっぽを数回振ることで飼い主さんに返事をしています。

日常生活の支え

しっぽのもう一つの重要な役割として、「日常生活の支え」が挙げられます。日常生活の支えとしての機能は、猫の日々の生活においてなくてはならないものです。普段猫がしっぽをどのように使っているか注目してみるのも楽しいかもしれません。

【バランスを保つために使う】
 猫はしっぽを使ってバランスをとっています。バランスを崩しそうな時には、しっぽを素早く振ることにより骨盤の位置を調整します。こうすることで不安定な場所でもバランスを崩すことなく、素早い移動が可能になっています。

【防寒具として使う】
 猫は身体を温める時にもしっぽを使います。猫は寒さが苦手です。寒い時に猫は体を丸め、マフラーのようにしっぽを使うことで寒さを和らげています。

【マーキングのために使う】
 マーキングをする時、猫はしっぽをこすりつけることでにおいを付けます。猫は「臭腺」という、においを発する器官を持っていて、臭腺はしっぽにもあるため、マーキングの際はしっぽを利用することも多いようです。

しっぽは触らないようにしよう。

猫のしっぽは、そのかわいさ故についつい触ってみたくなってしまいがちです。しかし、猫のしっぽは脊髄と直結しているため、猫が痛みを感じやすい部分。かわいいからといって引っ張ったり思い切り触ったりしてしまうと、痛がるだけでなく、内臓や後ろ足に障害が出てしまうこともあります。とてもデリケートな部分なので、触るのは控えておきましょう。
 ただ、例外として、しっぽの付け根に限り、触ると喜ぶ猫もいます。これは猫によって好みがわかれるので、反応を見て喜ぶようであれば触ってあげても構いません。嫌がるようであれば、しっぽの付近には触らないのが無難です。

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